アメリカ・テキサス州キャロルトンにある「Pickler Universe」で、
チョン・キム、ジャレット・ペトラス、ローラ・マーラ、ジニーバ・オルソンの4人が
男女混合ダブルス形式で36時間連続プレーを達成。
ピックルボール史上最長のラリーマラソンとして、
ギネス世界記録を塗り替えました。
これまでの記録は、イギリスのチームが保持していた34時間5分。
「The Pickle Breakers(ピックル・ブレイカーズ)」の4人は、
その記録を大きく上回る快挙を成し遂げました。
背景にあった“仲間への想い”
彼らの挑戦の裏には、ひとつの悲しい出来事がありました。
前年、ノーステキサスで活動していたピックルボール仲間が自ら命を絶ったのです。
「仲間のために、何かできることを」——
そんな想いから、4人は立ち上がりました。
仲間を偲び、臓器・組織提供を選んだ家族を支援する
非営利団体 「Taylor’s Gift Foundation」 のために募金活動を実施。
「36時間プレーにちなんで、36ドルの寄付を」という呼びかけのもと、
多くの人々が共感し、最終的に18,000ドル(約270万円)以上の寄付が集まりました。
夫が語る「ジニーバの強さ」
挑戦メンバーのひとり、ジニーバ・オルソンさんは、
家庭では4人の娘を育てる母親でもあります。
夫のマーク・オルソンさんは、現地メディア『KWTX-TV』の取材でこう語りました。
「彼女は“娘たちに証明したい”と言っていました。
『自分がやれるなら、あなたたちにもできる』と。
彼女はやると決めたら、必ずやり遂げる人です。」
ジニーバさんはこの挑戦に向けて、
トレッドミルでの長時間トレーニングを重ね、
36時間という過酷な挑戦に備えていたといいます。
「無謀」だからこそ、人はつながる
イベントを主催したコルビー・ローガン氏は、
この挑戦の持つ“人をつなぐ力”をこう語ります。
「最初に聞いたときは“無理だ”と思いました。
でも、それこそが世界記録というもの。
こういう挑戦は、人々をひとつにするんです。」
36時間にわたるプレーは、肉体的にも精神的にも限界との闘い。
それでも、チームはお互いを励まし合い、笑顔で完走しました。
ピックルボールがつなぐ「命」と「希望」
この挑戦は、単なる世界記録ではありません。
それは「スポーツが人の心をつなぎ、命を支える力を持つ」ということを
世界に示した象徴的な出来事でもあります。
“悲しみを希望へ”——
ピックル・ブレイカーズの36時間の闘いは、
その想いをコートの上で体現しました。
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