日本初!ピックルボール検索サイトをリリース
話題

「軽いスポーツ」と思って油断してない?プロ選手の研究から見るピックルボールで気をつけたいケガの話

ピックルボールは、年齢や経験を問わず楽しみやすいスポーツとして人気が広がっています。

一方で、競技として本格的にプレーする人が増えるほど、「ケガをしないための準備」も大切になります。

2026年に公開された研究では、PPAツアーなどに出場するエリート・ピックルボール選手のケガと、競技復帰までの期間が調べられています。

今回の記事では、その研究内容をもとに、ピックルボールでどのようなケガが報告されているのかを整理します。

※この研究はプロ・エリート選手を対象にしたもので、一般プレイヤーのケガ発生率を示すものではありません。

エリート選手113人を対象にした研究

今回取り上げる研究は、2018年から2025年までにPPAツアー、またはプロサーキットでプレーしたエリート選手を対象にしたものです。

対象となった選手は113人。
内訳は男性48人、女性65人で、年齢は10代後半から40代半ばまで。平均年齢は約31歳とされています。

研究では、公開されているケガの報告や競技復帰に関する情報をもとに、ケガの部位や種類、大会棄権の有無、復帰までの期間が整理されています。

その結果、7年間で75件のケガが記録されました。
ケガをした選手は52人で、対象となった113人のうち46%にあたります。

ただし、これはプロレベルの選手を対象にしたデータです。
一般の趣味プレイヤーとは、練習量や試合数、プレー強度が大きく異なります。

そのため、この数字をそのまま一般プレイヤーに当てはめることはできません。
一方で、ピックルボールという競技で、どの部位に負担がかかりやすいのかを知る手がかりにはなります。

報告されたケガは、下半身が中心

今回の研究で最も多く報告されていたのは、下半身のケガです。
全体の49%を占めていました。

特に多かったのは、足首の捻挫が13件、膝のケガが8件です。
そのほか、アキレス腱断裂前十字靭帯(ACL)損傷も含まれていました。

ピックルボールは、広いコートを長く走り続けるスポーツではありません。
ただし、短い距離の中で止まる、切り返す、踏み込む、下がるといった動きが多くあります。

そのため、見た目以上に足首や膝へ負担がかかる場面があると考えられます。

一方で、ケガは下半身だけではありません。
研究では、頭部や顔面のケガも13%報告されています。主な原因は、パドルやボールの衝突です。中には、脳震とうも含まれていました。

また、手首や肘などの上肢のケガも12%報告されています。
手首の靭帯損傷肘の腱障害などが挙げられており、パドルを使う競技ならではの負担も見られます。

この研究からは、ピックルボールでは下半身のケガが多い一方で、顔まわりや手首・肘にも注意が必要だとわかります。
気軽に始めやすいスポーツだからこそ、体のどこに負担がかかりやすいのかを知っておくことは大切です。

ケガの多くは大会棄権につながっていた

研究では、記録されたケガの約68%が、少なくとも1大会の棄権につながっていました。

復帰までの期間にも差があります。
35%は数日以内、15%は数週間で復帰していました。
一方で、約19%は復帰までに数か月を要したとされています。

また、前十字靭帯損傷やアキレス腱断裂など、重いケガの中には、そのシーズン中の復帰が難しいものもありました。

プロ選手にとって、大会を棄権することは競技活動に大きく関わります。
一般プレイヤーであっても、ケガをすれば仕事や日常生活、趣味の継続に影響することがあります。

だからこそ、痛みや違和感がある時は無理をしないことが大切です。
楽しく長く続けるためにも、「今日はここまで」と休む判断を持っておきたいですね。

ケガを防ぐために、プレー前後でできること

では、一般プレイヤーはどのようなことを意識すればよいのでしょうか。

大切なのは、難しいトレーニングをすることではありません。
まずは、プレー前後のちょっとした準備や判断を見直すことです。

いきなり試合形式に入らない

ピックルボールは気軽に始めやすいスポーツですが、体が温まっていない状態で急に動くと、踏み込みや切り返しの動作が負担になりやすくなります。

プレー前は、数分でもよいので足元を中心に体を動かしておきたいです。

たとえば、

・足首を回す
・ふくらはぎを軽く伸ばす
・膝を曲げ伸ばしする
・横方向に軽くステップする

といった動きを入れてから始めると、体も動きやすくなります。

最初から長時間プレーしすぎない

久しぶりに運動する人や、まだピックルボールに慣れていない人は、最初から長時間プレーしすぎないことも大切です。

楽しいとつい続けたくなりますが、疲れてくると足が止まり、無理な姿勢でボールを返しやすくなります。

「あと1ゲームだけ」と続けるよりも、疲れを感じた時点で休憩を入れる。
違和感がある日は、早めに切り上げる。

こうした調整が、結果的に長く楽しむことにつながります。

シューズはラケット競技向けのものを選ぶ

シューズ選びも見落とせないポイントです。

ランニングシューズは前に進む動きには向いていますが、横方向の動きや急な切り返しには不安が出ることがあります。

ピックルボールでは、左右へのステップや細かい切り返しが多いため、テニスやバドミントンなどのラケット競技向けシューズ、またはコート用シューズを選ぶと安心です。

屋内でプレーする場合は体育館用のインドアシューズ、屋外でプレーする場合は屋外コートに合ったシューズを選ぶと、足元の安定感が変わります。

すべてのボールを無理に追わない

プレー中は、すべてのボールを無理に追わないことも大切です。

特に、後ろに下がりながら打つ場面や、遠いボールに手だけを伸ばす場面では、体勢を崩しやすくなります。

届きそうで届かないボールは、無理に拾いに行かない。
見送る判断を持つことも、ケガ予防につながります。

プレー後は違和感を確認する

プレー後は、痛みや違和感がないかを確認しておくと安心です。

その場では気にならなくても、翌日に膝や足首、肘などに違和感が出ることもあります。

同じ場所に痛みが続く場合は、無理にプレーを続けず、医療機関や専門家に相談してください。

ピックルボールは、年齢や経験に関係なく楽しみやすいスポーツです。
だからこそ、上達だけを急ぐのではなく、自分の体に合ったペースで続けることが大切です。

準備してから始める。
疲れたら休む。
無理なボールは追いすぎない。
違和感があれば早めに止める。

こうした小さな判断の積み重ねが、ピックルボールを長く楽しむための現実的なケガ予防になります。


参考

PubMed
Injuries and Return to Play in Elite Pickleball Players: A Review of the Professional Pickleball Association Tour
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41975560/

DOI
https://doi.org/10.1097/JSM.0000000000001464

関連記事