ピックルボール人気が高まるアメリカでは、「やりたいのにコートが足りない!」という声が急増しています。
テニスやバスケのコートを転用するケースもありますが、それでも足りない。そんな中で生まれたユニークな解決策が、「駐車場やショッピングモールをピックルボール会場に変える」という取り組みです。
🏬 モールの駐車場がコートに変身(メリーランド州アナポリス)
メリーランド州アナポリスの ウェストフィールド・アナポリスモールでは、閉鎖されていたノードストローム前の駐車場が、地元出身の2人の発案によって 8面のピックルボールコートとして生まれ変わりました。
背景には、ネット通販の普及による「モール離れ」があります。運営側は生き残りのために「体験型の場所づくり」を模索しており、誰もが気軽に楽しめるピックルボールは地域コミュニティを呼び込む最適な選択肢とされたのです。
駐車場をスポーツコートに変えるこの取り組みは、新しいお客さんを呼び込むためのチャレンジでもありました。実際にイベントを通じて人々が集まり、ラリーを楽しんだあとに買い物や食事をする流れも生まれています。
ピックルボールは単なるスポーツにとどまらず、人を集め、街に活気と経済効果をもたらす存在になり得ることを、この事例は教えてくれます。
🔗 CBS News – Annapolis creates space for pickleball fans at local mall
🎥 旧映画館を8面コートに改装(オレゴン州ポートランド)
オレゴン州ポートランドの ロイドセンター では、閉館していた映画館を改装し、8面のピックルボールコート「Jumbo’s Pickleball」 がオープンする予定です。
シアターの広い空間をそのまま活かし、天候に左右されない屋内コートに。さらに、軽食が楽しめるラウンジや、パドルを試せるデモコート、グッズショップ も併設される計画です。
買い物や食事のついでに立ち寄れる「新しい娯楽の場」として、衰退が続いていたモールの再生プロジェクトの象徴と期待されています。
🔗 Willamette Week – Pickleball Courts Coming to Lloyd Center
🚗 駐車場をピックルボール施設に再生(コネチカット州ニューへブン)
アメリカ・コネチカット州ニューへブンでは、使われていなかった段差式の駐車場が、屋内ピックルボール施設に生まれ変わる計画が承認されました。
開発を進める「Pickleville CT LLC」は、敷地に2階建ての建物を新設し、3面の屋内コートと17台分の駐車場を整備する予定です。市の都市計画委員会も全会一致で承認し、地域の再生プロジェクトとして注目されています。
もともと70台分の駐車場でしたが、施設完成後は最大17台しか利用しないため、むしろ交通量は減り、周辺への影響も小さいと見込まれています。
このように、使われなくなった駐車場を新しいスポーツ施設に変えることで、人の流れを生み出し、地域を活性化できるという好例になっています。
🔗 New Haven Independent – Parking Lot, Meet Pickleball
✅ なぜ駐車場やモールが選ばれるのか?
- 立地が良い:すでに街の中心部や住宅地の近くにある
- 設備が整っている:照明やトイレなどが流用できる
- 舗装済み:地面の整備コストが不要
- 集客と相性が良い:ショッピングや飲食と一緒に楽しめる
単なる「余っていた場所の有効活用」ではなく、コミュニティを作るための選択なのです。
✅日本での可能性と課題
では日本で応用できるとしたら?
いきなり大規模モールに導入するのは難しいかもしれませんが、ヒントはいくつもあります。
- 🏬 空きフロアや倉庫跡地
→ 人が集まる施設の再活用。雨天でもできるのが魅力。 - 🏫 廃校や体育館の利活用
→ 少子化で空く校舎・体育館を地域スポーツに転用。 - 🏗 遊休地や解体予定地の暫定利用
→ 建設までの期間限定でコート化すれば、土地活用にもなる。
ただし、日本の都市部では「騒音問題」や「近隣との合意形成」が大きな壁になります。
そのため、静音パドルの導入や防音フェンス設置など、環境対策を同時に進めることが必須です。
🎾 まとめ —— 日本における“空きスペース活用”のヒント
アメリカでは駐車場やモールの空きスペースが、ピックルボールによって人の集まる場所へと変わっています。
この動きは、日本にとっても大きなヒントになります。
日本は人口減少や郊外型商業施設の衰退により、空き地・空き店舗・空き家が年々増加しています。従来なら「使い道がない」と見なされていた場所も、発想を変えればコミュニティスポーツの舞台になり得るのです。
ピックルボールはテニスやフットサルほど広い敷地を必要とせず、バドミントン程度のコートで十分。だからこそ、閉鎖された校庭や使われなくなった公共施設の駐車場など、日本各地に眠る“遊休スペース”を活かすのに向いています。
さらに、日本ならではのポイントとして、
- 高齢者の健康増進:シニア層にも無理なくできる
- 地域コミュニティの再生:商店街や公共施設に人を呼び戻す
- 空き家・空き物件対策:維持コストが課題の場所に新しい価値を与える
といった社会課題の解決にもつながる可能性があります。
つまりピックルボールは、ただのスポーツではなく「余白を文化に変える装置」として機能するかもしれません。
日本でも空きスペースをどう活かすかを考えるとき、その選択肢にピックルボールを入れてみる価値は大いにあるでしょう。