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ピックルボール入門

ピックルボール中毒に要注意!医師が警告する“ケガ急増”と予防

はじめに

アメリカを中心に、いま世界で急成長を続けるピックルボール。シニア世代から若者まで幅広く支持され、日本でも専用コートや体験イベントが次々と増えています。

しかしその一方で、「ケガの報告が相次いでいる」というニュースも出ています。楽しすぎてやめられない=“中毒性”があるからこそ、体のトラブルに気をつける必要があるのです。

全体的に見ても、確実に増えています」と語るのは、NYCのマウントサイナイ・ヘルスシステムでスポーツ医学部長を務め、全米オープンの整形外科コンサルタントでもあるジェームズ・グラッドストーン医師。

医師たちは、このケガの増加の背景には単なるプレーヤー数の多さだけでなく、「毎日何時間もプレーする元気なシニア層や、休日に熱中する週末プレーヤー」といった競技人口の特徴があると指摘しています。


人気拡大の裏で見えてきたリスク

2025年9月の New York Post 報道では、アメリカでピックルボールを原因とする負傷が目立ち、医師が警鐘を鳴らしていることが大きく取り上げられました (NY Post)。

さらに、2025年1月に Orthopedic Journal of Sports Medicine に発表された研究では、2020年から2021年のわずか1年間でピックルボール関連のケガが41%も増加していたことが判明。これは競技人口の爆発的な増加により、準備不足や無理なプレーによるケガが一気に表面化したことを示しています。

整形外科医によれば、ピックルボールは「楽しくて夢中になってしまう“中毒スポーツ”」。プレーヤーは多少の痛みがあっても続けてしまい、その結果、深刻なケガにつながるケースが増えているのです。


医師が語る“中毒性”と深刻な現場

カリフォルニア州ビバリーヒルズの Cedars-Sinai 医療センター整形外科医、ティモシー・チャールトン氏はこう語ります。

「もし65歳の女性が急性のピックルボールのケガで来院したら、まずアキレス腱断裂を疑う」

冗談のように聞こえますが、それほどまでに同じケガで来院する患者が多いという現実があります。

さらにチャールトン医師は、ピックルボールを「ドラッグのようなものだ」と表現。骨が皮膚から突き出るような大ケガを負った患者でさえ、開口一番に聞くのは——

「先生、治るまでどれくらい? いつコートに戻れますか?」

という言葉なのだといいます。それほどまでに、このスポーツは人を夢中にさせる強い魅力を持っているのです。


どんなケガが多いのか?

特に多いのは以下のようなケガです。

  • アキレス腱の断裂(特に報告が多い)
  • 手首や膝の捻挫
  • 肩の炎症(サーブやスマッシュによる負担)
  • 腰や背中の張り

ピックルボールはテニスよりもコートが狭く、短い距離での急加速や急停止が多いため、筋肉や関節に強い負担がかかりやすいのです。


なぜケガが増えるのか?

  • 初心者でもすぐ楽しめる → 体が準備できていなくても長時間プレーしてしまう
  • シニア層が多い → 加齢による筋力低下や関節の硬さが影響
  • 競技人口の急増 → 経験や知識がないままプレーする人が増えた

人気が広がるスピードがあまりに早いため、“正しい体の使い方”や“ケア方法”が追いついていない状況と言えます。


ケガを防ぐためにできること

医師や専門家の意見を参考に、初心者でも取り入れやすい予防策を整理しました。

  1. ウォーミングアップを徹底する
    → 特にふくらはぎやアキレス腱をよく伸ばす
  2. プレー時間を区切る
    → 楽しいからといって2〜3時間続けず、休憩を挟む
  3. シューズ選び
    → クッション性が高く、横の動きに強いシューズを使用
  4. フォームを意識する
    → 無理なスマッシュやジャンプは控え、まずはラリーを楽しむ
  5. クールダウンとアイシング
    → 終了後にストレッチ、痛みがあればすぐに冷却

太ももの裏(ハムストリング)や前もも(大腿四頭筋)を伸ばすだけでも、ケガの予防になります。

たとえば、

  • 椅子に座って片足を前に伸ばし、つま先に手を伸ばす(ハムストリング伸ばし)

  • 立ったまま片足を後ろに曲げ、手で足首を持って太ももの前を伸ばす(大腿四頭筋伸ばし)

といった簡単なストレッチです。運動が苦手な人でも取り入れやすく、プレー前後に1〜2分やるだけで“使いすぎによるケガ”を減らせると医師たちは指摘しています。


まとめ

ピックルボールは「楽しいからこそ夢中になれる」魅力があります。その一方で、アメリカでは実際にケガの急増が報告されていることを忘れてはいけません。
ただ怖がる必要はなく、正しい準備とケアを心がければ、安全に長く楽しめるスポーツです。

日本でも今後ますますプレーヤーが増えるからこそ、ルールや戦術だけでなく「体を守る知識」も広めていくことが大切ですね。

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