欧州・中東・アフリカ(EMEA)をまたいで、ピックルボールの国際プロサーキットを立ち上げる——そんな構想が出ています。
名前は TOPSERIES Pickleball。EMEA全体を対象に、日程・ランキング・賞金を共通の仕組みで運営する、本格的なプロツアーを作るという計画です。
このツアーは、単に大会を開催するものではありません。
世界トップクラスの選手を、安定した競技フォーマットで見せること。
映像や配信も含めて「観る競技」として成立させること。
そして、選手にとって 成長・収入・長期的なキャリアにつながる道筋を用意すること を目的に設計されています。
この構想は、The Luxury Network Magazine でも紹介されており、
EMEA地域におけるピックルボールの次の成長段階を支える“土台づくり”として注目されています。
この計画の“芯”は「バラバラを、1つにする」
TOPSERIES Pickleballがやろうとしているのは、EMEA(欧州・中東・アフリカ)で行われるプロ大会を、同じ基準で回る「ひとつのツアー」にまとめることです。
何が「同じ」になるの?
1)大会日程をまとめて見える形にする
大会が点在していると、選手も観る側も追いづらい。
そこで、EMEA全体で動く 統一カレンダー を用意する、という考え方です。
2)ランキングを1つにそろえる
大会ごとに評価が違うと、実績の比較が難しくなります。
TOPSERIESは、主にプロ選手を中心にしたひとつのランキングを用意する考えです。
3)賞金の出し方もそろえる
賞金の考え方が大会ごとに違うと、選手側は遠征や出場計画を立てにくい。
そこで、賞金を一定の基準でそろえる(標準化)という方向になります。
4)「プロとしての運営基準」もセットで持ち込む
ここは詳細なルール一覧まで出ているわけではないけど、運営の基準をプロ仕様にそろえるという方針が出ています。
5)映像・配信を最初からちゃんと作る
これ、観る側にはかなり効きます。
決勝だけ豪華に撮るのではなく、早いラウンドから高品質な映像制作を入れる方針です。
その“続報”が出る場が、2月12日のロンドン発表
TOPSERIES Pickleballは、2026年2月12日 19:00(現地時間)に、ロンドンで公式プレゼンテーションを行う予定です。
この場で、これまで概要として語られてきた構想を、具体的な形として示すとしています。
当日の発表には、選手だけでなく、
投資家、企業(ブランド)、競技団体、メディアも集まる予定です。
単なる大会告知ではなく、国際プロツアーとして本格的に動かしていくための関係者が集まる場、という性格のイベントになります。
ここで明らかにされる予定の内容は、大きく分けて次の3点です。
- ツアー全体の考え方や方向性
- 実際にどう回していくのかという仕組み
- どこまで広げていくつもりなのかという規模感
さらに、ファンにとって気になる具体的な情報も扱うとされています。
- 開催地を含む大会カレンダー
- 試合の組み方や進め方(競技フォーマット)
- 会場や映像をどう作り込むかという観戦体験の考え方
特に「観戦体験」については、現地で見る人だけでなく、画面越しに見る人も楽しめる形を意識している点が強調されています。
また、この発表は、ツアーを動かす創設チームの考え方や、映像面の世界観を初めてまとめて見る機会にもなります。
競技そのものだけでなく、「どんなプロツアーとして見せていくのか」が伝わる場になりそうです。
TOPSERIESを動かしているのはどんなチーム?
TOPSERIES Pickleballは、ヨーロッパに本社を置く独立した創業者主導組織として運営されており、スポーツ、メディア、金融サービス分野で経験を持つ国際的な起業家が支援しています。
CEOを務めるのが、アデル・アレフ(Adel Aref)です。
アレフは、チュニジア系フランス人で、キャリアの出発点はプロテニスの国際審判です。若い年齢で「ゴールドバッジ」を取り、グランドスラムやオリンピックの決勝も担当してきました。
その後、パリ・サンジェルマン(PSG)で会長主席補佐を務め、試合だけでなく観る体験の作り方にも関わりました。
VIP向け観戦エリアを強化し、ビヨンセ、ジェイ・Z、リアーナ、レオナルド・ディカプリオ、デビッド・ベッカムといった著名人が訪れる空間になった、という説明もあります。
さらに国際パデルツアー Premier Padel では、ツアーディレクターも経験し、「国際ツアーをどう回すか」を実務で積んできた人です。
アレフは、「ピックルボールはいま国際舞台に進んでいて、欧州・中東・アフリカにはそれに見合う国際サーキットが必要だ」と話しています
編集後記
今回のTOPSERIES Pickleballの構想を見ていて感じるのは、これは単なる「新しいツアーの立ち上げ」ではなく、ピックルボールという競技を、どんな産業として育てたいのかという話でもある、ということです。
EMEAでは、国や地域ごとに活動が広がりつつある一方で、日程も評価軸も見せ方もバラバラな状態が続いてきました。そこに対して、「まず土台をそろえる」「共通のルールで回る場所を作る」という発想は、地味だけれど、長く続く競技を作るうえでは避けて通れない工程です。派手さより先に、仕組みを優先する。その順番自体が、かなり意図的に見えます。
また、映像や会場体験を初期段階から重視している点も、「競技として成立すればいい」では終わらせない姿勢を感じさせます。強い選手がいるだけでは、プロスポーツにはならない。いつ、どこで、どんな形で見られるのかが整って、はじめて“追いかける対象”になる。その前提を最初から作ろうとしているのは、かなり現実的です。
2月12日のロンドン発表は、答え合わせというより、この構想がどこまで本気なのかを測る最初の場になるはずです。
ピックルボールが次にどんな段階へ進むのか。その輪郭が、ここから少しずつ見えてきそうです。
出典
https://topseriespickleball.com/
https://tlnmag.com/2026/01/19/topseries-pickleball-launches-an-international-professional-pickleball-circuit-focused-on-the-emea-region-europe-middle-east-and-africa/
